あひろぐ

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大人向け絵本のような漫画『ハクメイとミコチ』の世界で暮らしたい

漫画の世界に入ってみたい。
誰もが考えることだと思います。

少年漫画の世界で冒険したい。
少女漫画の世界で恋したい。
人によってその選択肢は様々かと。

じゃあ実際に神様が降りてきて、 好きな漫画の世界に入れてあげるよと言われたらどの作品にするか。

私は即決。

『ハクメイとミコチ』です。

※ネタバレはしていません。ご安心を。

『ハクメイとミコチ』

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『ハクメイとミコチ』は、樫木祐人氏による漫画。 漫画誌ハルタにて連載中で、2018年にアニメ化もされています。

身長9cmのこびとであるハクメイとミコチという2人の日常生活を描いた物語です。

世界感はファンタジック。
2人以外のこびとも多々登場し、動物や昆虫と共に社会を築いている。 双方言葉も通じ、協力し合い、生活している。

街には、洋服屋やレストランがあり、歌姫もいる。 大工組合もあれば、蒸気機関車も走っている。

そんな世界が舞台です。 登場人物以外は人間世界と大きくは変わりません。

特殊な能力を授かる代わりに泳げなくなる果実も、
無尽蔵に便利道具を出してくれる狸型ロボットも、
超人的な推理能力を持つ代わりに周囲の殺意を誘発する少年も、
出てきません。

なのになぜ私はこの作品世界で暮らしたいと思うのでしょうか。 今回はその魅力を語りたいと思います。

優しさに溢れた世界

これに尽きます。

もうとにかく暖かいんですよ。
登場人物が全員。
もっと言えば世界が。

不愉快な悪役なんて1人も出てきません。

ちょっと嫌な奴かと思いきや、思いやりに溢れた良い子だし、 困ってたらみんなが協力してくれるし。

逆アウトレイジワールドですよ。
全員善人。

穏やかな日常

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ただ2人の穏やかな日常生活が描かれます。 そこには、劇的な展開も大きなトラブルも起こりません。

いわゆるスローライフです。

しかし、退屈さはありません。 日々起こる些細な出来事を、周りの人物とのつながりを通して、 心情豊かに描き出しています。

たまに起こるチョットしたトラブルも、 気づけばみんなで笑い合う結末に落ち着きます。

それが本当に心地よい。

まるで絵本のような絵柄

こびとと動物と昆虫が共存する自然豊かなファンタジー世界を、 絵本のような柔らかな絵柄で描いています。

表紙からもその魅力が垣間見えると思います。

登場人物はもちろん、背景が素晴らしいです。 しっかりと世界を描くことで、浮かぶんですよ、頭に。

2人の目線からはこんな世界が広がってるんだろうなって。

料理が美味しそう

ミコチが料理上手なこともあり、料理の描写が多々出てきます。 これがとにかく美味しそうなんですよ。

絵柄とあいまって、まぁ魅力的。

ジブリの料理を彷彿とさせる。 豪華じゃないんだけど、素朴でぬくもり溢れる感じ。

ネット上にも再現レシピがいくつも上がってるようです。

この世界で暮らしたい

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『ハクメイとミコチ』は心がじんわりと温かくなる大人向け絵本のような漫画なんです。

物語世界くらい、漫画を読んでいる時くらい、嫌なこと見たくないんですよ。人の闇とか、辛い社会問題とか。

温かな気持ちで明日もまた頑張ろうと思える。 そんなこの漫画が私は好きです。

なんでもない日常の素晴らしさを、幸せを、再認識できる漫画です。

何度読んでもじんわりと心が温かくなりますよ。 本当におすすめです。
ぜひぜひ。


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