数年前にたまたま渋谷の小さなライブハウスに行ったんです。 お目当ては1人の女性アーティストでしたが、他にも何組かの出演者が いました。
そんな出演者の中に1人の小さな女の子が。 司会の人からは福岡の高校に通っており、春休みを利用して上京しライブに出演しているとの説明がありました。
第一印象は、アイドルみたいなちっちゃくて可愛い子だなーくらい。
その小さくて可愛い女の子が、
アコギを弾きながら、
スモーキーな低い声で、
自身で作ったという英語詞の曲を歌い出しました。
藤原さくら『Ellie』
呆然と目を奪われました。
声を失うほどの衝撃でした。
あっという間に数曲が終了。
彼女の出番は終わり。
お目当てだったアーティストの記憶はほとんどありません。 気づいたらその場で彼女のCDを購入していました。 少しでもこの感情を残したくて。
彼女の名前は、藤原さくらと言います。
当時、私が感じた感動と衝撃を少しでも伝えたくてこのブログを書いています。
唯一無二の声
まず私が衝撃を受けたのは和製ノラジョーンズとも称されるその歌声。 アイドルのようなルックスからは想像も出来ない低くスモーキーな声の持ち主です。
柔らかな声なのですが、どこか靄がかかったような歌声。 暖かさと物悲しさという相反する雰囲気を両立させている稀有な歌声。
また、サビなど高音域では裏声との中間のような歌声で、独特な浮遊感と居心地の良さを感じさせます。
こんな深みのある声が少女のような女の子から発されます。 目と耳の感覚が一致しない。
ギャップ萌えの極致。ハイエンド。
彼女のスタイルは基本アコギの弾き語り。 だからこそ声が際立ちます。
アコースティックで多彩
その楽曲は、ジャズやフォークを中心に様々なテイストを加えたアコースティックなもの。
二十歳前後の女の子の作る曲調とは思えないほど、多彩。 そして、穏やか。
どことなくビートルズを感じるのは、 彼女がポールマッカートニー好きな影響なのでしょうかね。
お洒落なカフェでジャズに混じって流れていても何も違和感を感じないような曲が多々。
耳心地が良い。本当に。
そして、先述した声が楽曲に深みを与えます。
ライブがまた格好良いんですよ。本当に。 この映像とかたまらないです。
藤原さくら『BABY』
過小評価されてません?
私がライブハウスで偶然出会った数年後、 彼女は、大手音楽事務所と契約し、 メジャーデビューしました。
月9ドラマにて福山雅治の相手役として女優&主題歌起用されることになります。主題歌の作詞作曲は福山雅治。
しかし、月9史上最低視聴率という不名誉な記録を残すだけで、 主題歌も彼女もさほど話題になることはなく。
私はその状況を本当に歯がゆくみていました。 彼女はこんなもんじゃないと。
昔と違い、今の時代はいわゆる事務所のゴリ押しを嫌う傾向にあると思います。それが透けて見えれば見えるほど。
月9で女優&主題歌起用という、 側から見れば大抜擢であろう出来事が故に、 彼女の素晴らしい音楽に余計なバイアスがかかってしまっているのではないかと思えてしまうのです。
月9出てた子だよねーとか、
スピッツのカバーしてたーとか、
可愛い子だねーとか、
そういうんじゃないんですよ。
そんな上辺の評価は良いよと。
過小評価ですよ。
月並みですが、
もっともっともっと彼女は凄いんです。
純粋に彼女の歌声を聴いてほしい。
彼女の作る楽曲を聴いてほしい。
彼女の素晴らしさが伝わってほしい。
あの日、彼女の歌に、 声を失うほど感動した身としてただそう願います。
この記事で1人にでも彼女が正当に評価されれば。
こんな嬉しいことはありません。
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