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東京事変っていう曲者オールスターズ

東京事変が解散してから早6年。

彼らに代わるバンドは未だ現れません。
今後も現れることはないでしょう。
それだけ強烈な個性を持ったバンドでした。

2003年のバンド結成時、衝撃を受けたことを覚えています。 当時からソロアーティストとして地位を確立していた椎名林檎がバンドを結成するらしいと。

まあ男女問わずソロで活躍するアーティストがバンド活動をすることはあります。しかし、多くがそのアーティストのワンマンバンドになりがち。

今回もどーせ椎名林檎と愉快な仲間たちになるんでしょうと思っていました。

しかし蓋を開けて見れば、椎名林檎が自身で捜し集めたと言う面子は彼女に負けず劣らず存在感を持った面々でした。

今思えばあの椎名林檎が普通の面子を集める訳はないですよね。

そこからの快進撃は言うまでもなく。

今日はそんな彼らの曲の中でもお気に入りの一曲を紹介させて下さい。

東京事変『遭難』

名前からして個性的な面々、魑魅魍魎

メンバーの名前からして個性が止まりません。 椎名林檎の名前が薄れるほど。
とりあえず挙げてみましょうか。

Vo.椎名林檎
Ba.亀田誠治
Gt.晝海幹音(初代)⇨浮雲(二代目)
Key.H是都M(初代)⇨伊澤一葉(二代目)
Dr.刄田綴色

…いや、ネーミングセンスが西尾維新!

浮雲と書いてクラウドファンディングと読む、みたいな。

何ですかこの、圧倒的に厨二病をくすぐってくる感じ。

亀田誠治の普通さが逆に違和感を感じます。 亀田誠治と書いてオアシスと読みましょうね、これからは。

で、名前だけじゃなくてですね。
本当に豪華なんですよ、この面々。

Ba.亀田誠治は、スピッツや平井堅などを手がける日本有数の音楽プロデューサーですし、

二代目Gt.の浮雲は、今やギタリストとしても地位を確立するペトロールズの長岡亮介です。

二代目Key.伊澤一葉はあのELLEGARDENの細美武士がフロントマンを務めるthe HIATUSのメンバー。

初代Key.のH是都Mは、サムライジャズバンドと称されたPE'Zの元メンバー(ヒイズミマサユ機名義)で、先日このブログでも取り上げたH ZETTRIOのメンバー(H ZETT M名義)です。

www.ahiru-no-blog.com

夢のようなバンドですよ、今考えても。
一流アーティスト揃い。
椎名林檎だからこそ揃えられた面子でしょう。

で、各々のプレイヤーとしてのスキルはもちろんですが、 醸し出す雰囲気が只者ではないです。 椎名林檎っていう圧倒的な雰囲気を持つ存在が中心にいるにもかかわらず、メンバー1人1人が全く埋もれていない。

それであってバンドとしての統一された雰囲気を損なわない。 異端ともいうべきオーラを個々としてもバンドとしても持っている。

まさに唯一無二。

魑魅魍魎。

和を感じさせる音楽

椎名林檎と同期のアーティストとして宇多田ヒカルがいます。 宇多田ヒカルは、日本に洋楽的音楽感を植え付けた存在とも言えるでしょう。

そんな宇多田ヒカルを"洋"とするなら、椎名林檎は圧倒的に"和"を感じさせる世界観を持っています。

歌い方の艶やかさ、歌詞での古風な言い回しや表現、妖しげなアートワーク。
どれもとても日本的。

そんな彼女の"和"の世界は東京事変というバンドを経て加速しました。

『遭難』という曲もそう。

一昔前の日本。
ヨーロッパの雰囲気が少しずつ街に馴染みだした頃の。 そんな匂いを感じます。

京都。
大正デモクラシー。
推理小説。

ロックバンドにおいて、 ロックンロールにおいて、 和を感じさせるというのはある種の矛盾を孕みます。

文学的という意味で日本を感じさせるバンドはいても、 和の艶やかさを持ち合わせたバンドは過去にも現在にもこのバンドのみでしょう。

あ、あと刄田綴色氏のドラムの叩き方格好良すぎ。 惚れる。

曲者オールスターズ

いかがでしょう。東京事変。
椎名林檎が集めただけあって、 曲者オールスターズといえる面々。

個々のプレイヤースキルも音楽性も際立っているのに、 バンドとして高いレベルで成立している。

変態的ともいえる洗練された"和"のロック。

まさに唯一無二の世界観を作り上げていました。 解散後、一切後釜といえるバンドが出てきていないことがそれを証明しているでしょう。

解散に至った真実は彼らしか知りません。 しかし、今も椎名林檎の作品やライブでメンバーと共演していることからも関係性は悪くないのでしょう。

いつの日かまた彼らの作り上げる音を聴ける日が訪れるのでしょうか。

今は彼らが作り上げた楽曲を聴きながら、その日を待ち望みましょうかね。


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