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無骨さと暖かさと ズーカラデル『アニー』

andy moriっていうバンドが大好きだったんですよ。
不器用で、暖かくて、自由で。

彼らは順調に音楽シーンを駆け上がり、その半ばで解散を発表しました。 そして解散ライブを控える頃、Vo.小山田壮平氏が河川への飛び降りを行い、大怪我を負いました。

そのニュースを見たときは驚きと哀しみに加えて、何故か腑に落ちるような感覚を覚えました。

その後、メンバーを加えてALとして復活し、 その追加メンバーが長澤知之氏と知った時には、 言葉にできない驚きと喜びのような感情が溢れました。

また歌ってくれるんだなと。
そんな気になってくれたんだなと。

そんな大好きなバンドandy moriの匂いを感じるバンドを紹介させて下さい。

無骨で、不器用で、ほろ苦い。
けど、人間の暖かさを感じる。

ズーカラデルというバンドです。

ズーカラデル 『アニー』

シティポップの対極

シティポップのブーム以降、お洒落で都会的なロックが溢れましたよね。 それはそれで好きなんですが、やっぱり泥臭いロックも良いなって。

そんなシティポップの対極をいく音楽をズーカラデルは奏でています。

Vo.吉田崇展氏のカウントダウンから始まるこの曲は、 ロックでポップ。

ギターとベースとドラム。
シンプルかつ王道な音が響く。

そこに加わる落ち着いた男性的な歌声。
最近の男性ボーカルといえば、中性的な高音ボイスというのがスタンダード。
そんな今、彼の硬派なのに柔らかく優しい声はむしろ新鮮に聴こえる。

女性コーラスも主張しすぎることなく、 良いアクセントに。

そもそもルックスが良いですよね。
王子様のようなルックスではないです。 無骨丸メガネですし。

けど、歌っている彼はとても魅力的だと思います。 後述する人間味に溢れる歌詞を顔を歪めて歌う彼は。

人間味に溢れる歌詞

彼らはとにかく歌詞が良い。
Vo.吉田氏が手がける歌詞は、 不器用で弱くて、けれども純粋で暖かい。
そんな人間味に溢れる歌詞なのです。

もういつだってこの夜を
抱きしめているけど
何回やっても世界は
変わったりしなかった
涙は乾き始めた!

ねぇ 素晴らしくないけど
全然 美しくないけど
YOU AND I 泥だらけの 僕らの世界を歌え 何度も

なんてほろ苦くて、なんて純粋な歌詞なんだろうと。

上手くいかない日々も、
失敗続きの人生も、
それでも良いから前を向こうぜと言ってくれるよう。

彼らは、人間の弱さを否定しません。
都合の良いところばかりを歌いません。

純粋で弱い存在だからこそ、 暖かく前向きであろうとする姿を描き出す。
そんな人間味に溢れる歌詞です。

そんな彼らだからこそ、私は背中を押されるのです。

"ストロング"バンド ズーカラデル

ズーカラデルは、良く"ストロング"バンドと称されています。 これが自称なのか、他称なのかはわかりません。 けれど、何が"ストロング"なのかは明言されていないんですよ、おそらくは。

しかし、この曲を聴いているとわかるような気がします。

彼らは人間の弱さに向き合いながら、 それでも前を向く、そんな姿勢を感じさせてくれます。

それが人間の強さなんだと、
だからこそ強くあれるんだと、
示してくれているような気がします。

それが故の"ストロング"バンドなのだろうと私は思うのです。

見た目も格好良くはない。
何度も言いますが、
無骨丸メガネですし。

歌声も演奏もPVも、 シティポップ的お洒落感とは真逆です。

しかしそんな格好つけない彼らが、 ただ格好良いと私は思うのです。

いかがでしょうか、ズーカラデル。

あ、最後まで読んでくださった方に、独特なバンド名の由来をお伝えしましょう。 まぁ想像はつくかもしれませんが。

ズー⇨zoo⇨動物園
カラデル⇨から出る

動物園から出る、です。
なにこれホッコリ。
以上。


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