あひろぐ

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bonobos『THANK YOU FOR THE MUSIC』という祈り

以前のブログで、不朽の名曲としてフラワーカンパニーズの『深夜高速』を紹介しました。

www.ahiru-no-blog.com

冗長な前置きはやめましょう。
本日もそんな心に残り続ける名曲を紹介させてください。

bonobos『THANK YOU FOR THE MUSIC』

bonobos

2001年結成のベテランバンドbonobos。 bonobosと書いてボノボと読みます。

彼らの音楽ジャンルはとても表現しづらいです。 彼らの音楽は、レゲエを中心としつつも、ソウルミュージックやフォーク、ロックにジャズと時代の中でその音楽性が次々と移り変わってきたから。

そして、それらを全て取り込みbonobosの音楽として昇華しています。 彼らの魅力はそんな柔軟性と先鋭性。

それにしても近年のシティポップブームにおいて、あのSuchmosやAwesome City Clubといった期待の新星と並んで、シレッとbonobosがyoutubeの関連動画に上がってきたのには笑いました。
2度見した。

あれ?bonobosってベテランだよね?
なにこの、パリピの中に1人若作りグラサン三十路マン混ざってる感じ。

そして、聴いてみてもう一度笑った。
極上のシティポップだった。
それがこちら。

bonobos『Cruisin'Cruisin'』

完全無欠のシティポップ。

改めてbonobos凄いなって。
なにこの順応性。

しかも、ただの明るくお洒落なシティポップじゃないんですよ。

色気があるというか。
彼らの持つ良い意味でのユルさがシティポップに融合している。

まさに大人のシティポップ。

失礼いたしました。
私が悪うございました。
bonobosさんをナメてたわけじゃないんです。

土下寝しますから許してください。

一つだけお願いします。
今から土下寝するんで『Cruisin'Cruisin'』かけといてください。

幸せな眠りをお約束いたします。

閑話休題

話が逸れまして失礼いたしました。
ここまでが前置きと思って下さい。
最初に書いた「冗長な前置きはやめましょう。」という言葉と合わせてお詫び申し上げます。

『THANK YOU FOR THE MUSIC』

そんなbonobosが2005年にリリースした名曲が『THANK YOU FOR THE MUSIC』です。

音楽への感謝を曲名として掲げた一曲。
これって一歩間違えるとただダサくなってしまいます。 泥臭くなりかねない。

しかし、そこはbonobos。
極上のグルーブで自然と身体が揺れる曲に仕上がっている。 ダサさなど微塵もない。
彼らの持つ独特なユルさを感じる。

土臭いユルさではない、
洗練されたユルさ。

曲としての魅力は何と言っても独特な浮遊感と多幸感。 シンプルかつ美しい歌詞。 サビで観客が手を2回叩き、天へ掲げるという振りも秀逸。

15年近く前の曲とは思えない。
まさに普遍的な曲だと思う。
ほんとうに幸せな歌。

夕暮れの中、ビールを片手に聴けたら、そこはもう天国以外の何物でもないでしょう。

ビールが飲める人にはね。
私はムリ。
残念至極。

とあるフェスでみた夢のような光景

Thank you for the music
My music fly up
空を仰いで 言葉があふれでた
風に伝わって 君をよぶのさ
Thank you thank you for the music

この曲について、私の心に残っている光景があるんです。

数年前、私は派遣のアルバイトをしていました。 その日は、とある小さな音楽フェスのスタッフを。 大規模フェスと違ってステージは一つだけ。

私の仕事は、ステージを見下ろす通路に立って案内すること。

あまりステージを見ていたら怒られそうだけど、 人も通らず、ただ立っているだけのお仕事。 出演者も知らないアーティストばかりでしたし。

バイトも終盤に差し掛かる夕暮れ。
ボーッと耳だけで音を聴いていたら、知っている曲が。

『THANK YOU FOR THE MUSIC』でした。

ふとステージを見ると、
客席には両手を天に掲げる人たちが。

その姿はまるで祈りのようで。
全員の幸せそうな表情がとても印象的で。

ステージと客席だけが切り取られた空間に見えました。

あぁ音楽ってすごいなぁと思いました。
こんなに幸せに満ちた空間を作り出せるんだなと。

その日から、私にとってこの曲はただの名曲ではなくなりました。

いつかスタッフではなく、
観客としてこの曲を聴きたいなと思っています。

本日は『THANK YOU FOR THE MUSIC』についてでした。 ここまで読んでくださった方に感謝を。


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