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FINLANDSがガールズロックの新時代を切り開く

2018年7月をもって、チャットモンチーが『完結』しました。
『シャングリラ』のヒットが2007年。
10年以上に渡り、日本のガールズロックの象徴でした。

その象徴がなくなった今、新時代が訪れるのでしょう。
ワンピースでいう白ひげのようなものですね。

その筆頭がSHISHAMOですかね。
yonigeやthe peggies、Hump back、リーガルリリーとパッとは挙げきれません。
群雄割拠といったところでしょうか。

そんな中、私のイチオシはFINLANDSです。
そんな彼女らの一曲を紹介させて下さい。

FINLANDS『恋の前』

チャットモンチーっぽいという呪縛

チャットモンチー以降のガールズバンドには、チャットモンチーっぽさという呪縛があるように思えます。

先日、友人とチャットモンチー解散について話をしていたところ、友人から
「去年の紅白に出てたのにねぇ。びっくり。」
と言った話があり、よくよく聞けばSHISHAMOのことだったといったことがありました。

一般的に見れば、あのSHISHAMOですら、その呪縛からは逃れきれていないようです。

そんな中、FINLANDSはその呪縛から一抜けているように思えます。
そもそも2人組ですしね。
それを言ったら元も子もない気はしますが。

Vo.塩入冬湖の声

特筆すべきは、ボーカルである塩入冬湖氏の声でしょう。

鼻にかかった高音。
喉に引っ掛けるような独特な発声。
一歩間違えば金切り声です。

誰に似てるかと言われても全く思いつかない。それ程独特。
強いて挙げるならば、BISHのアイナ・ジ・エンド氏でしょうか。

正直好みは分かれるとは思います。
私にとっては魅力以外の何物でもありませんでした。

猟奇性を孕んだ歌詞

ヒステリックな毎晩 ガラス塗れの部屋
トラウマにもならない 恋ならば意味ない
嘘の売り場で恋人が滑らせた
ナンバーエイト わたしの名前

ガールズバンドって恋愛についての歌詞が多いように感じるのは私だけですかね。
淡い表現で恋愛のベタベタを可愛く歌ったり、
元彼への恨みつらみを書きなぐったり。

この曲も恋愛について歌っています。
しかし、突き刺すような鋭さを感じるんです。
言葉選びというか、比喩表現の巧みさというか。

猟奇性を感じます。
けど、それが格好良い。

ライブでは常にモッズコート

彼女らの特徴として、必ずモッズコートを着てライブを行います。
夏でも、です。

…いや、死んじゃいません?
暑がり&汗っかきの私としては、
熱中症と脱水症のフルコンボでぶっ倒れる図しか浮かばないんですが。

しかし、まぁそれも彼女らの感性なのでしょう。
引っ込みつかなくなる前に脱いだ方が良いのではと、思いますが。

余計なお世話ですね。

兎にも角にも格好良い

声、歌詞、服装、どれをとっても既存のガールズバンドに類似性を持ちません。
そして、それが絡み合い、まぁ兎にも角にも格好良いです。

好き嫌いは分かれるでしょうが、好きな人にはたまらないですよね。
ハマったら抜け出せない底なし沼みたいな。

どうですかね。チャットモンチーっぽさ感じますかね。

チャットモンチーがガールズロック界に築き上げたチャットモンチーっぽさという呪縛。 その呪縛から解き放たれ、ガールズバンドの新時代を作るのは、FINLANDSです。
好き。共に聴きましょう。