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魂を込めるということ フラワーカンパニーズ『深夜高速』

どれだけ時が経っても色褪せない、不朽の名曲。
そんな曲を一曲紹介したいと思います。

フラワーカンパニーズというバンドをご存知でしょうか。
来年で結成30周年。
結成以来メンバーチェンジなく走り続ける、日本が誇るライブバンドです。

彼らがインディーズ時代から歌い続ける代名詞とも言える曲があります。
『深夜高速』です。

2009年にはこの一曲のみを、
斉藤和義や泉谷しげるなど錚々たる面子がカバーしたトリビュートアルバムが発売されました。
名実ともに彼らの代表曲です。

まずは聴いてみてください。
今回はPVではなく、ライブ映像になります。
この方が彼らの魅力が伝わるかと。

フラワーカンパニーズ『深夜高速』

生きててよかった

生きててよかった 生きててよかった
生きててよかった そんな夜を探してる

サビの歌詞はとてもシンプルかつ熱い。
暑苦しいと拒否反応を起こす人も中にはいるかもしれません。

しかし、人を救う力を持った歌詞だと思う。
心に刺さる。心を打つ。
複雑な表現や個性豊かな比喩など必要ないのだと、証明してくれるようです。

歌に魂を込めるということ

Vo.鈴木圭介氏は、顔を歪め、
両手でマイクを握りしめ、
歌う。

身体を震わせ、
喉の血管を浮き上がらせ、
叫ぶ。

歌に魂を込めるとはこういったことを言うのだと。

上記の歌詞もともすれば薄っぺらくなりかねません。
しかし、彼の姿を見て、そう感じる人はいないでしょう。

彼が安易に生について歌っているのではないと、
全力で生きているから歌える言葉なのだと、
感じさせてくれるからではないでしょうか。

祈りにも似たその姿

観客の様子にも目を惹かれます。

胸に手を当て、身体を揺らす。
叫ぶこともなく、手を掲げることもなく。
まるで何かに祈るようです。

夜の日比谷野外音楽堂という場所も相まって、
鳥肌が立つほど美しい空間だと映像を見ても思います。
ここにいられたらどんなに良かったかと。

生きててよいという肯定

この歌が何故ここまで人の心を震わせるのでしょうか。
それは、人生を肯定してくれているからだと思います。

美しくない姿も含めて全てが自分なんだと、
それを受け入れて生きていくしかないのだと。

今までの人生、
失敗も成功も全て引っくるめて生きていてよいのだと。

そしてその言葉に、その想いに、
嘘がないことを彼らの姿や声から感じるからこそ、
心を打たれるのです。

この曲は決して大きなセールスを記録した訳ではないです。
しかし、人の心に残る名曲とはこういった曲を言うのだと思います。

不朽の名曲『深夜高速』。
この曲に出会えてよかったと心から思います。

このブログが誰かの『深夜高速』との出会いになることを願って。