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ダサカッコいいの権化 SOUL’d OUT

DA PUMPの『U.S.A』が話題になっていますね。
『Rhapsody in Blue』や『ごきげんだぜっ!〜Nothing But Something〜』を聴いて育った私としては、とても嬉しいです。

今作のキーワードは"ダサカッコいい"。
テレビやネットで取り上げられるたびに、このワードが何回も出てきます。

しかし、私には腑に落ちないことが一つあります。
ダサカッコいいというワードを使う以上、彼らに言及しないのは間違っているのではないか。ダサカッコいいブームの今こそ、彼らの特集が組まれるべきではないか。

そうです。SOUL’d OUTです。

SOUL’d OUT

2000年代、KICK THE CAN CREWやRIP SLYMEがオリコンチャートを賑わせていた日本語ラップの隆盛期。

彗星のように現れ、全日本国民に衝撃と困惑を与えた存在。
それがSOUL’d OUTです。

2014年に惜しまれつつ解散してしまったSOUL’d OUT。
今回はインパクトの強い彼らの曲の中でも最も私が衝撃を受けた一曲を紹介します。

SOUL’d OUT『COZMIC TRAVEL』

ヒップホップ…なのか?

まず第一にこれはヒップホップなんでしょうか?
音楽の専門的知識を持たない私には見当がつかないのですが。

いや、ヒップホップなのは間違いないとは思うんですが、私の知っているものと異なりすぎて困惑するんですよね。

中毒性

彼らの楽曲を語る上で欠かせないのが、その中毒性でしょう。

メインMCであるDiggy-MO'(ディギー・モーと読みます)の巻き舌気味の鼻にかかった声と歌い方。
もはやポップスと言っても良い、サビのキャッチーさ。

SOUL’d OUTを聞く以上、その日一日は頭に鳴り響き続けることを覚悟しなければいけません。
それだけの中毒性を彼らは持っています。

唐突なコロンブス

なぜ?

歌詞のダサカッコ良さ

Sittin'on tha roof あかく翔んでく 宙見上げれば天地が逆さ
I do, I do, Ido 深呼吸 描く星座のサーカス move

COZMIC TRAVELA LA LA LA
POP THA BUBBLE IN THA TROUBLE OF FASHION
投げる A CAPELLA LA LA LA
LISTEN UP CLEAR UP THA 言語プロセッサー

日本語と英語を組み合わせ、
英語寄りの発音で日本語を発声することで、その境目を曖昧にする。
LOVE PSYCHEDELICOが得意とする手法ですね。

上記の歌詞に前述した歌い方が混ざり合い、歌詞カードを見ないとほぼ何を言っているかは聞き取れません。

しかし、異常に耳に残るんですよ。
なんなんですかね。
"言語プロセッサー"。

コロンブス再び

偉人にコスプレさせるなって。

PVのダサカッコ良さ

このPV凄くないですか?
ここまで合成感を前面に押し出してくることあります?

『COZMIC TRAVEL』だから宇宙空間を旅しているのはわかりますよ。
なぜ宇宙船じゃなく車を採用したんですか。

そしてなぜ直線のトンネルなのに、Diggy-MO'はハンドルを切っているのか。
私の知ってる車とは構造からして違うんですかね。
そりゃ宇宙空間走れるんだもんなぁ。

コロンブスオチ

コロンブス好きすぎでしょう。

ダサカッコいいという唯一無二性

そもそも曲が良すぎるんですよ。
それが変化球な歌詞やPVをダサカッコいいという領域に引き上げているんです。

最初に彼らの音楽がヒップホップかどうかわからないという話をしました。
そもそもその論点が間違っていたんです。

彼らの音楽ジャンルは"SOUL’d OUT"。
それが全てなんです。

ダサカッコいいブームの今こそ、
彼らが再評価されるべきだと私は思っています。
そしていつの日か再結成する日を待ち望んでいます。